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大阪地方裁判所 昭和43年(ワ)1710号 判決

原告

瀬戸いの枝

代理人

松本健男

被告

宗教法人弁天宗冥応寺

代理人

鬼追明夫

ほか三名

第一 主文

一、被告は原告に対し、九六〇、五一三円および内金八三六、九二九円に対する昭和四三年四月一六日から、内金二三、五八四円に対する昭和四四年一月三〇日から、残金一〇〇、〇〇〇円に対する本判決言渡日から、各支払いずみに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

二、原告のその余の請求を棄却する。

三、訴訟費用はこれを二分し、その一を原告、その余を被告の各負担とする。

四、この判決一項は、かりに執行することができる。

第二 原告の申立て

被告は原告に対し、三、一七七、四六八円およびこれに対する昭和四三年四月一六日(訴状送達翌日)から支払いずみに至るまで年五分の割合による金員(遅延損害金)を支払え。との判決ならびに仮執行の宣言。

第三 争いのない事実

傷害交通事故発生と被告の責任原因(自賠法三条)

とき 昭和四二年一月二三日午後三時三〇分ごろ

ところ 大阪市東淀川区上新庄町二丁目一二一番地先交差点内

事故車 被告保有の普通乗用自動車(以下被告車という)

運転者 被告雇人訴外賀屋晃幸(業務中)

受傷者 原告

態様 普通乗用者運転中の原告が一時停止したとき、被告車がこれに追突した。

第四 争点

(原告の主張)

一、受傷部位・程度、後遺症

事故直後から頸部等に疼痛を覚え、昭和四二年一月二四日から五月四日まで杪谷接骨院において、むち打ち症による頸背部および両上下肢全般にわたる障害につき治療を受けた。当初は、頸背部においては屈曲転回不能、硬直状で相当な腫脹を呈し、局部の疼痛および頭痛がはなはだしかつたが、その後両上肢の肘部から前腕部、指部までしびれ握力が低下し、両下肢も膝部から足根部までが無力の状態になり、膝がガクガクして足もとがふらつくような状態になり、多少軽快に向かつたが本復せず、六月三日から現在まで大阪警察病院に頸椎挫傷の病名で通院治療中である。現在なお頸椎第六、七間に変形を認め、両手にしびれ感があり、頭痛、悪心、肩こり、鼻出血等の後遺症がある。

二、損害額

(1) 営業上の逸失利益 計一、四六六、四〇〇円

原告は家事労働のほかに夫瀬戸栄治と共同でネーム織業を経営してきたものであり、みずから営業用自動車を運転して、商品の配達、集金、税関への書類手続き等をなしてきたが、前記受傷のため右営業活動は全部不可能となつた。

原告夫婦の月収は九万円以上であるところ、原告の労働の対価はその三分の一を下ることがないので、原告は本件事故により、翌日たる昭和四二年一月二四日から翌四三年三月二三日までの一四か月間における見込み収入四二〇、〇〇〇円(三万円×一四)を失つた、

また、右事故がなければ、右以後さらに五年間は同一営業に従事しえたと考えられるから(後記年令参照)、右期間中の見込み収入を控え目に二万円として、年利五分のホフマン式中間利息控除法により逸失利益現価を算出すると、一、〇四六、四〇〇円(2万円×12×4.36)となる。

(2) 家事労働による逸失利益 計八〇九、五六八円

原告は主婦であるところ、前記受傷のため事故の翌日たる一月二四日から四月二三日までの三か月間まつたく家事労働ができず、長女が勤務先を欠勤ないし早退などして看護した。また、それ以後現在まで、前記後遺症により満足に家事労働を行なうことができなかつたし、さらに、右後遺症が早期に回復する見込みはないから、労働能力の一部を将来にわたつても喪失していることになる。

原告の現在の後遺症は、自賠法施行令別表七級四号のほか、一一級五号、一二級一二号にそれぞれ該当するところ、後二者につき右施行令二条二号により一〇級に該当するものとされるから、原告の将来の労働能力喪失率は三〇〇分の六〇(五分の一)というべきである。原告は本訴提起現在四四才の主婦であるから、就労可能年数を一九年とし、家事労働の対価を月二万円とすると、原告の逸失利益現価は左のとおりである。

(イ) 昭和四二年一月二四日から四月二三日まで

二万円×三=六〇、〇〇〇円

(ロ) 昭和四二年四月二四日から翌四三年四月二三日まで

2万円×0.5×12=120,000円

右期間中は家事労働能力を従前の五〇%とみる。

(ハ) 昭和四三年四月二四日から一九年間

2万円×0.2×12×13.116(年利五分、一九年のホフマン係数)=629,568円

(3) 慰謝料 計一、二七二、〇〇〇円

(イ) 昭和四二年一月二三日から五月四日まで(一〇二日)

一日三千円×一〇二=三〇六、〇〇〇円

(ロ) 昭和四二年五月五日から一二月二三日まで(二三三日)

一日二千円×二三三=四六六、〇〇〇円

(ハ) 昭和四二年一二月二四日以後の後遺症につき五〇〇、〇〇〇円

(4) 治療費 計二九、四八一円

(イ) 大阪警察病院(43.4.11〜44.1.30)

一九、五八一円

(ロ) 二階堂指圧治療院 九、九〇〇円

(5) 弁護士費用 計二〇〇、〇〇〇円

(イ) 仮処分一回、本訴着手金 五〇、〇〇〇円

(ロ) 報酬金 一五〇、〇〇〇円

三、本訴請求

以上の損害額中、(1)の内金八六六、四一九円、(2)ないし(5)の全額および前記遅延損害金。

(被告の主張)

本件追突事故は原告の過失にもとづくものであり、訴外賀屋晃幸の過失はほとんどない。

第五 証拠《省略》

第六 争点に対する判断

一、原告の受傷部位・程度、後遺症

後遺症の点を除き原告主張のとおり。現在頸椎第六、七間に化骨像(X線)があり、両手先のしびれ感と肩こりが残存するほか、時どき頭痛が起こるため、一か月に一、二回の割合で大阪警察病院に通院して治療を受けているが、寒冷時以外は家事および日常生活にさしたる不自由はない<証拠>。原告の右症状は、自賠法施行令別表一二級一二号に該当する後遺障害と認めるのが相当である。

二、損害額

(1) 営業上の逸失利益  証拠不十分

証人瀬戸栄治の証言および原告本人尋問の結果によると、原告は家事労働のかたわら、夫の経営するネーム織業を手伝い、時にはみずから営業用自動車を運転して商品の配達、集金等をすることもあつたのに、前記受傷のため右営業にほとんど協力できなくなつたことが認められるけれども、そのため原告主張のような営業上の逸失利益が生じたと認めるに足る証拠はない。

(2) 家事労働上の損害 計一八三、六六二円

(イ) 原告は家事労働にもとづく逸失利益があると主張するが、家事労働には財産的な対価が支払われないから、従来の判例における伝統的な逸失利益概念に従うかぎり、原告の家事労働能力喪失による逸失利益を肯定することはできない(大阪地判昭和四二年一二月二二日判例時報五一八号六七ページ以下参照)。

(ロ) もつとも、家事労働に対価が支払われないといつても、その労働により財産的利益が産み出されることは否定できないので、この利益を収入に準じて考え、家事労働の主体につきいわば準逸失利益なるものを肯定しえなくもない(たとえば、東京地判昭和四三年二月二九日判例時報五二一号六八ページ・判例タイムズ二一八号一八〇ページ以下)。

しかし、家事労働による財産的利益は、その性質上消費生活に必要な限度で産み出されつつ費消せられることにより、消費面への積極財産の流出を防ぐ作用を営むものであるから、かかる利益を収入に準じて積極的に評価する以上は、死者の逸失利益を算出するにあたり収入から控除すべき生活費の算定法を全面的に変更する必要がある。すなわち、右生活費を現実の消費支出のみから算定してきた従来の方法は正当でなく、現実の消費支出のほかに家事労働による財産的利益をも考慮して、これを算定すべきこととなる。たとえば、夫婦が夫の月収四万円をすべて生活のため費消し、なんら財産的蓄積をなす余裕のない場合、両者の生活費は収入と同額であるから、これを従来の方法により算定すると月額四万円となるが、妻の家事労働による財産的利益を準収入と考える見解によると、両者の生活費は夫の月収相当額四万円にとどめるべきではなく、妻の準収入たる家事労働による財産的利益相当額を加算しなければならない。そこで、かりに右財産的利益を月額二万円と評価し、夫婦の生活費の割合を同一としてみると、両者の月収は六万円(夫四万円、妻二万円)、生活費は六万円(各三万円ずつ)となるから、夫が死亡した場合の逸失利益は、その月収四万円から生活費月額三万円を控除した月額一万円の純利益を基礎として算出すべく、妻が死亡した場合は、家事労働による財産的利益(準収入)月額二万円よりも生活費月額三万円のほうが上廻るので、前記準逸失利益は認めえないこととなる。

右のように、家事労働による財産的利益を収入に準じて考える見解は、前記生活費に関する従来の算定法を全面的に変更し、右設例のような結果を是認するのでなければ、たやすくこれを採用しがたい(もし、家事労働による財産的利益を収入に準じて考えながら、生活費は従来どおり現実の消費支出のみから算定控除するならば、右設例で夫婦が同時に死亡した場合、両者の月収は計六万円で生活費は月額四万円であるから、月額二万円の純利益が残る計算となる。しかし、右夫婦がともに生存していれば、なんら財産的蓄積をなしえなかつたはずであるから、右純利益を残す算定法が不当であることは明白である)。

(ハ) 以上の理由により、原告の家事労働にもとづく逸失利益は、理論上これを肯定しがたいけれども、家事に従事している者が受傷により労働能力を喪失した場合には、その能力喪失の程度に応じて、家政婦を雇用し、あるいは他の家族が本来の労働のほかに家事労働にも従事しなければならなくなるのが通常であり、この場合の家政婦代とか家族が余分に労働力を消費したための財産的損害は、家族の経済的一体性の観点から、これを受傷者自身の損害と解しうるので、同人に対し、家政婦平均賃金を基準として、相当額の賠償を認めるべきである。

もつとも、原告は右のような財産的損害の賠償を求める意思を明示してはいないけれども、その訴旨は、受傷により家事労働能力を喪失したことによる財産的損害を主張するにあり、ただその損害を評価算定するための方法として、前記逸失利益を主張するものに過ぎないと解しうるから、右逸夫利益を前提とする原告の主張が肯認しえないとしても、労働能力喪失による損害を右のような方法で算定認容することは、弁論主義に反しないというべきである。

そこで、原告の家事労働能力喪失による財産的損害につき検討するに、<証拠>に前記原告の受傷部位・程度、後遺症を総合すると、原告は前記受傷のため、事故の翌日たる一月二四日から三か月間はまつたく家事労働ができず、他の家族がこれに従事せざるをえなかつたこと、その後は原告みずから家事労働を行なつているが、前記後遺症のため若干不自由を感じ、他人の協力を必要としていることが認められるところ、事故当時から現在までの家政婦平均賃金は原告主張の月二万円を下らず、前記後遺症による労働能力喪失は一四%(昭和三二年七月二日基発五五一号労働基準監督局長通牒一二級)、その継続期間は前記治療経過等に照らし、事故後四年を経過する昭和四六年一月二三日までと認めるのが相当であるから、原告の家事労働能力喪失による損害は左のとおりとなる。

(A) 昭和四二年一月二四日から四月二三日まで

二万円×三=六〇、〇〇〇円

(B) 昭和四二年四月二四日から昭和四六年一月二三日まで(昭和四二年四月二四日現価)

2万円×0.14×44.1652(年利五分、四五か月の月ごと式ホフマン係数)=123,662円

(3) 精神的損害  八〇〇、〇〇〇円

前記受傷部位・程度、後遺症等をしんしやくした。

(4) 治療費(最終支出日昭和四四年一月三〇日)

二九、四八一円

原告主張のとおり<証拠>。

三、原告の過失(過失相殺二〇%)

<証拠>によると、つぎの事実が認められる。

(1) 原告は普通乗用自動車を運転し、青信号に従つてかなり広い本件交差点に進入したが、当時車両の通行が少なく自車の前方左右にまつたく車両が見当らなかつたので、信号を見誤つたのではないかと思い、信号を確認するために進入後約一〇メートル進行して停車した。

(2) 訴外賀屋は被告車を運転し、時速約三〇キロメートルで原告の車両後方に四、五メートルの間隔を保つて追従中、同車が右のように停車したため、急ブレーキを踏んだが及ばず追突した。

以上認定の事実により、原告の過失の有無を判断するに、車両の交差点内停車は、原則として禁止されているところ(道交法四四条)、本件の場合原告の前記交差点内における停車を正当化しうる理由は見出しがたく、しかも原告が右の停車をしなければ本件追突事故は発生しなかつたものと認められるので、右事故の発生については原告にも過失があつたものといわなければならない。原告と訴外賀屋の過失(車間距離不十分)の割合は、一対四と認めるのが相当であるから、被告の賠償額は前記各損害の八〇%たる左の金額にとどめるべきである。

(1) 家事労働上の損害  一四六、九二九円

(2) 慰謝料  六四〇、〇〇〇円

(3) 治療費  二三、五八四円

右合計 八一〇、五一三円

四、弁護士費用  計一五〇、〇〇〇円

(1) 不法行為にもとづく損害賠償請求に関する訴訟のため必要とされる弁護士費用は、任意に賠償義務を履行しない債務者に対し、その履行を請求するために生ずる費用であるから、これを不法行為から直接生ずべき損害と解することは困難である。また、右の費用を債務者の履行拒絶にもとづく損害とみても、金銭債務の不履行による損害賠償額を法定または約定利率に限定する民法四一九条一項が存する以上、他に特別の事情がないかぎり、その賠償を認めることはできないであろう。

そこで、債務者の履行拒絶が信義則上許容される範囲を逸脱し、実体法上の評価において強度の違法性を帯び、不当抗争という新たな不法行為を構成すると考えられる場合は、不法行為債権者は前記訴訟のため支出した弁護士費用につき、右不当抗争から生ずべき通常の損害として、その賠償を求めることができると解するのが、後記のような訴訟の実態に照らし相当であるけれども、不法行為にもとづく損害賠償額は、手形金額のように当事者間において明確であることは少なく、これをめぐつて紛争の生ずることは通常やむをえないところであるから、債務者の履行拒絶、抗争行為が信義則上許容される範囲を逸脱し、新たな不法行為を構成すると評される場合は、それほど多くないと考えられる(もつとも、本件のような交通事故の場合は、事故自体に強度の違法性ありとして、これに続く債務者の履行拒絶が当然違法性を帯びるとする見解もあるが、右に述べた理由により賛成しがたい)。しかし、だからといつて、右以外の場合は弁護士費用の回収を認めないとするならば、特殊専門的に技術化された構造を有する訴訟をみずから遂行しえないため、通常弁護士への訴訟委任を余儀なくされる多くの債権者は、常に右弁護士費用を自己の負担として甘受し、本来取得すべき賠償額から右費用を控除した残額をもつて満足しなければならなくなるが、弁護士費用が実際上訴訟の必要費の最も大きな部分を占め、その額も相当高いことを考えると、かような結果は、正義と公平の法理念に背反するものといわなければならない。

(2) 思うに、訴訟は、当事者間の紛争を契機として、国家機関たる裁判所が当事者間の権利義務関係を実在化する過程なのであるから、不法行為による損害の賠償につき当事者間において円満な解決ができない場合に、債権者が債務者に対し損害賠償義務の履行を求めて訴えを提起し、訴訟を遂行するのは、これを実体的にみると、債権の実在化および満足の一過程にほかならない。したがつて、右のために必要な弁護士費用は、債権の取立費用に属するものと解される。

ところで、債権の取立費用のうち、訴訟費用に含まれるものは原則として敗訴者の負担とされ、また強制執行の必要費に含まれるものは債務者の負担に帰せしめる現行法のもとにおいて、実際上訴訟の必要費の最も大きな部分を占める弁護士費用を各当事者の自弁とするのは、いわゆる弁護士非強制主義の建て前にもかかわらず事実上弁護士強制主義を採用しているのと大差のない現行訴訟の実態に照らし、なんら実質的・合理的根拠がなく、法の不備以外の何物でもないであろう。

そこで、当裁判所は、右の法の不備を補充し債権者を適正に保護する意味において、債務の弁済の費用を原則として債務者の負担としている民法四八五条の趣旨を類推して、債務の履行につき円満な解決に至らず債務者が任意に弁済しない場合に、傷権の存在または内容を明確化・現実化し、これを取り立てて強制的に弁済の実をあげるために必要な費用として相当な範囲内にあるかぎり、弁護士費用も債務者において負担すべきものと解する(東京地判昭和四一年二月二六日判例タイムズ一九〇号一八五ページ以下参照)。もつとも、不法行為による損害賠償に関する訴訟に必要な弁護士費用は、通常の債権取立費用ではなく、訴え提起という特別事情により生じたものと解されるが、債務者が責任原因、損害額等を争い当事者間において円満な解決が得られなければ、債権者は債権を現実化しその満足を受けるためには訴えを提起するのほかなく、そのさい、前述のような訴訟の技術性・専門性のゆえに、弁護士に訴え提起および訴訟遂行を委任するのでなければ、とうてい所期の目的を達しえないのが通常であることからすれば、右のように抗争する債務者は、右弁護士費用の支出を当然予見しうるというべきである。

(3) 以上の理由により、不法行為債権者の訴訟のための弁護士費用は、債務者の違法な抗争の有無にかかわらず、その支出が債権の取立費用として必要かつ相当な範囲内に属すると認められる限度で、債務者の負担すべきものと解するのが相当である(この理は、不法行為のみならず、一般の契約関係にもとづく債権取立ての場合にも妥当する)。

(4) そこで、本件について考えてみるに、<証拠>を総合すると、被告は当初から事故の責任を認めていたものの、原告の請求額に納得できなかつたため任意の履行を拒絶し現在に至つているが、裁判上確定した金額はこれを支払うつもりでいること、原告は被告が右のように請求に応じないための治療費の支出にも困つたので、その損害賠償債権の取立てのため、弁護士松本健男に委任して、いわゆる断行の仮処分および本訴を提起し、そのその主張のような弁護士費用を支払う旨約したことが認められ、右認定によると、原告において本件事故による損害賠償債権の取立てのため、右仮処分および本訴提起の必要性があつたというべきであるが、本件事案の内容、審理の経過、認容すべき損害賠償額および当裁判所に顕著な大阪弁護士会報酬規定に照らすと、右原告の支払いを約した弁護士費用中被告において負担すべき額は、(イ)仮処分報酬および本訴着手金として五〇、〇〇〇円、(ロ)本訴報酬として一〇〇、〇〇〇円が相当であると認められる。

五、結論

被告は原告に対し、前記損害賠償額八一〇、五一三円に弁護士費用一五〇、〇〇〇円を加えた九六〇、五一三円および内金八三六、九二九円(家事労働上の損害、慰謝料、仮処分報酬および本訴着手金)に対する訴状送達翌日たる昭和四三年四月一六日から、内金二三、五八四円(治療費)に対する最終支出日たる昭和四四年一月三〇日から、残金一〇〇、〇〇〇円(本訴報酬)に対する本判決言渡日から、各支払いずみに至るまで年五分の割合による遅延損害金を支払わなければならない。

よつて、訴訟費用の負担につき民訴法八九条、九二条、仮執行の宣言につき同法一九六条を適用して、主文のとおり判決する。 (谷水央)

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